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感想

古田博司氏著『朝鮮民族を読み解く』読了、著者43歳の処女作。やはらかい感覚で書かれ、優れた文明論だ。朝鮮民族への筆者の関心と愛情を通した辛辣な肖像画だが、最近、氏は大きく見方を変えたやうに見える。最近のかの国の有様を見れば当然だが、しかし元々大きく朝鮮のありやうを受け入れるところから出発した古田氏の考への変化はきちんと追跡しておきたい。
阿川尚之氏著『憲法で読むアメリカ史』。アメリカ史といふよりは憲法解釈を通じてアメリカ国家が成立してゆく過程の丹念な叙述。アメリカを、憲法を軸に、大統領と最高裁、連邦議会と州の力関係や立憲的な正統性の確立の過程が描かれるが、やはり成熟するまでの無理な飛躍や強引さが色々ある。デモクラシーの問題は戦後日本だけを見てゐては何もわからないが、一方で社会思想の古典だけを読んでゐても妥当な政治的な判断はできない。門外漢だが、広く渉猟する読書に入りたい。
 政治思想について少し纏めて読み、考へておかうとすると、文藝批評も並行してといふのが当面難しいかもしれない。何しろ国、国、国で読書などろくにできなかつた知的不毛を何年分も補ひながら書く仕事に入るわけだから。
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