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偶感

なんとも体調が悪い。昨日、筑摩新書が前川喜平氏新刊を出すことを強く難じたが、筑摩書房が元々志の非常に高い出版社だつたからこその嘆きである。無論、今でも素晴しい本もたくさん出している。言うまでもなく全面否定では全くない。
しかし私の無念は狂おしい。私にとつて、文藝春秋、新潮社、筑摩書房などは、最も輝かしい名前、これらの出版社が大切にしてきた文化文藝を継ぐことの光栄こそは人生の喜びと言ひたいほどのものだつた。出版社は企業ではない。文化保守の「場」なのだ。ベルリンフィルやウィーンフィルが経営判断でベートーヴェンやブルックナーをないがしろにして、最近流行のポップスに軸を移すというようなことが、全面的な自己破壊であるのと同じく、これらの出版社が、古田や菊池や佐藤の敷いた路線、美学、基準を、芥川、横光、川端や、柳田、小林、唐木ら先人が体当たりで築き上げた達成基準を捨てれば、日本の文学の中枢が破壊されるに決まっていた。それを三十年。
 しかしどんなに怒っても失われた巨大な日本文化は取り戻せない。少しでもいい仕事をする為に書斎にこもり、後の世代に志を伝え、俊秀を生み出せる場を作るために、人生を捧げるつもりである。
 この所政治思想や近代史の読書をやっと始めたが、何しろ数年の空白がある。半年はとにかく読んでノート取り。右も左もないまま。しかし文学がどうしても欲しい。私の本当の世界をまたも後回しにするのは索漠たる思いだ。夕方5時位からは文学に沈潜したい。川端の東京の人との対比で細雪を読み始めよう。

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