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【日録】

今朝は会田弘継氏『アメリカの思想家たち』熟読を了。少しアメリカ遍歴をした後の再読でやうやく話が見えてきた。何度かご紹介したが、本書は平易だが社会政治状況と思想としての内実をバランスよく伝へ見事な思想列伝になつてゐる。ただ最大の問題と私に思はれるのは、カークとフクヤマの二人をそれぞれに最大限の敬意で描出してゐる事で、氏と彼らが個人的な知友だといふ事とは別に、思想家としてはフクヤマの根本的な近代への楽天性とカークは相容れまい。もう一つはロールズへの評価で、彼はその後の――今私も筆禍事件になつてゐる事も含めた――日米欧のポリコレ、文化多元主義や価値観の多様化を主張しながら圧倒的な言論抑圧を展開する流れを作る決定的な思想家だつたのではないか。ソ連共産主義はアメリカを内側から崩さなかつたが、今や新しい正義概念は、中国の自由社会向け情報工作と輻輳して大変な危険水域に達してゐる。最近、日本の戦後リベラルを位置づける論考を書いたが、引き続き試論を深めたい。
 また今日はやつとチェリビダッケ論通しの推敲を終へた。元の原稿は22年前、30歳の頃で文辞に未熟な点があり直したが、論旨の構築は大変な力技で驚いてゐる。20年前の自分に及ばないやうでは生きてゐる意味がない。頑張らねば。明後日までに脱稿し、ここまでを出版社に送る。これから講演草稿。明日には会田氏の本を元にした論考の執筆を開始する。
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