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【日録】

昨日、今度の音楽批評集を出してくれる漆原さんと打合せをして、来年3月刊行他、概要がほぼ決まつた。今時本格的な演奏家論集を出してくれるのは有難い事だ。今朝、初稿を通しての見直しや、原稿の取捨選択を終へた。明日、改めて冒頭から出版稿が確定して初めての通読、推敲、註の指定に入る。600枚を超える大きな作品集となる。伝記的記述、文明論的記述、演奏家論、レコード批評、音楽学的、楽理的な記述、演奏会批評が混じりながら、全体を通して指揮者の世紀を浮かび上がらせる試みとなる。
 指揮者論は世界でもあまりいい本がない。イギリスのウルドリッジの指揮者論はメンデルスゾーンから始まる音楽史的研究としては貴重だが、トスカニーニ以降の評価や記述にはかなり疑問が残るし、ショーバーグはかつてのニューヨークの大物評論家だが評価も文章も私は余り重んじる気にはなれない。その後色々な人の指揮者論があるが、ジャーナリスティックなものが殆どだ。故人となつた日本の二人の評論家、小石忠男さんの『世界の名指揮者』と吉田秀和さんの『世界の指揮者』が、今でも一番優れた仕事だらう。私のは人数をごく絞り、批評の方法も様々なものを一冊にまとめた仕事だから、これら先人のものとは比較し難いが、まあ、何とか纏まりは付いたといふ所か。
 それにしても国の憂いは私を意気阻喪させる。
 それではいけない、と思ふのだが。
 音楽批評の初稿を漆原さんに渡したら、ただちに小林秀雄と川端康成についての大きな仕事に取り掛かる。その中からまづは既に約束してゐる小林秀雄についての一書に掛らねばならない。
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