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【恵沢】

 神谷伊作氏といふ未知の読者から『詩集 心から心へ語りかける』を頂戴した。非売品の私家版との事だが、こんな美しい書物、こんな美しい言葉の宝箱に出逢ふのは久し振りだ。開くたびに喜びの波が胸中に広がる。自作の詩、源氏物語や古今集の和歌の自由注釈がそのまま詩になつてゐるもの、ディラン・トマスの訳詩やパスカルからの自由な思想詩など。とにかくどれもが美しい。甘い感傷はない。まして詩語の絢爛や独創でなく、ただ素直にやはらかく美しい……
最初の編「君はかなたから吹き來る風のやうだ」の冒頭をご紹介しておかう。
月を背に 空の向かふ 遥かかなたから吹き來る風は
 靑々と繁る木の葉を そつと撫でて渡つてゆく

風は 我がこころをもふるはせる
 心は 波打つこずゑの葉のやうに揺れ動き
  胸には幾多の音色が ひそかに鳴つてゐるのだ


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