FC2ブログ

随感

私を苦しめるのはたつた一つの事、物書きとして第一級の仕事を成し遂げたいといふ野心の圧力だけだ。同時にこれが私の生きる意味なのであつて、この野心の苦しみを放り出して、安逸に逃げるといふ事はそもそも意味をなさない。
 さう言ひながら、ささやかではあつても息抜きと喜びを作りながら生きてゐるのは、身近な仲間たちは知る通り(笑)
 植村和秀氏『丸山眞男と平泉澄』に続き、西村貞二『ヴェーバー、トレルチ、マイネッケ』読了。これは文句なしの名著。対象の質も高く西村の老練自由な筆も大変立派だ。それが竹内洋氏『丸山眞男とその時代』に入つた途端、申し訳ないががつくりきた。
丸山も戦前東大の連中も竹内氏の筆も低調。例へば非国体的な学者文筆家を筆誅する悪名高い蓑田胸喜――蓑田狂気と陰口され恐れられた――が自由思想を圧迫するといふやうな話は、圧迫されて黙つた側の恥でしかない。そもそも蓑田の脅迫相手には美濃部達吉や河合栄次郎、三木清のみならず、大川周明や安岡正篤も入つてゐる。国粋的当り屋だ。バックに政治家や軍人がついてゐても所詮民間人の筆誅に過ぎない。実際、文藝春秋系ゴシップ誌が蓑田をからかつてゐるのを竹内氏は紹介してゐる。文春がからかへる人をなぜ帝大の教授が恐れるか。相手はスターリンや毛沢東ぢやないんだ。腹を括れば何が怖いものか。命が惜しければ言論学問などするな。以下略。どこかの雑誌に出してもらはう。
スポンサーサイト



コメント

非公開コメント