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随感

私はどうも恵まれてゐるやうに誤解され易いらしいが、天下の素浪人、腕一本以外明日の知れぬ無産者だ。資産、地位、立場、名声、権力、何一つない。ごく少数の家族、志の友を除けば、確かなものなど何もない。芭蕉が漂泊の思ひやまずと言ひ、露伴が住処に蝸牛庵と名付けたやうに私もただ風狂の徒たるのみ。よくまあここまで何とか生きて、社会的な意味ある幾つかの仕事をしてこれたものだ。
一重に縁の力、神力あつてのこと。天に生かされてゐるだけで、天命果てれば人生そのものもそこで終りだし、それでいいと思つてゐる。ただどうしても勉強だけはして死にたいものだ。死の想定を早めに持つてきてどうしても勉強しておきたいことを先にすることが今の私には必要だ。一番勉強したいことは結局、文學と最も古い時代の思想だ。万葉、古今、源氏、平家、新古今が存分に勉強でき、論語、老荘、史記とプラトンの主要著作に三昧でき、ゲーテ、バルザック、日本の近代文学の読み漁りができれば、何もいらない。贅沢過ぎるか呵々。ノルマを課す生き方を転換できるかどうか。
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