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【偶感】

 母との晩飯が終り、久しぶりに鬼平を一緒に見た。母は父が死んで以来初めてだという。今日見たのは笹やのお熊。北林谷栄のお熊が圧巻。「よお鉄つぁん、古いなじみのこの俺を、こんな庭先に通すなんて、ひどいじゃねえかい」は何十年前に一度見たまま台詞回しの細部まで忘れられない。
日本人が存在していた頃の記憶の中でしか生きる気力が出なくなって久しい。実家に戻ると死んだ父と死ぬ順番が逆でなかったことが不可解に思われる。私が熟知し、愛し、共に生きたいあの日本民族はもうない。エジプト、ギリシア、漢、ローマと同じ急激な民族の終焉に今まさに我々は直面しえいる。日本を何とかしたくて死に物狂いで頑張っているが、本当は毎日泣く気力も出ない圧倒的な虚脱感。それでも何人かの深い信・愛を感じる人達と出会い、連日連夜一緒に懸命の作業をしているからこうして生きているのだが……。今晩は諸橋の『荘子物語』を読み、チェリビダッケのブルックナー第六番を聞き眠くなったら寝る。
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